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研修プログラム後

リハビリ医学は挑戦の科学、一緒に開拓しよう

リハビリテーションに興味を持つきっかけはみなさん違うとは思いますが、私の場合、卒業後19年経ってからです。脳神経外科医として研鑚を積む中、脳卒中後の重い片麻痺や失語症になってしまわれた患者様を多く診てきて、外科医としては障害に対しては何も出来ないことに歯がゆい思いが募っていきました。損傷した脳神経に対し何かできないものかとの想いから脳の可塑性に興味をもち脳科学の世界に魅せられしばらく基礎研究に没頭しました。まず驚いたことは「ないものは作る」という発想が非常に新鮮でした。研究で必要なものは商品として存在しなければ自分で考え開発するところから始める、ということです。研究にサルを用いましたが、サルも高度な学習能力とその応用能力を持っていることに驚き、その学習に伴って脳も劇的に変化しました。しかし、動物を使った研究では、動物に学習させた行動からヒトの行動を外挿するに過ぎず、当然ながら研究に限界があります。例えばサルは言葉を話せません。基礎研究だけでは、自己満足のようにも感じ始め、「世の中の人たちに直接役に立つことはできないのか」と思いはじめた時に、リハビリテーション医学に出会いました。脳卒中後の運動機能がリハビリテーションにより徐々に回復していく過程で脳の可塑的変化を伴っている、ということに感動しました。

実際にリハビリテーション医として働いて驚いたことは、本当にほぼ全ての診療科からあらゆる疾患の患者様を診る機会をいただけることでした。横断的診療、全人的医療、チーム医療等の考え方に従来の医療にない新鮮さを感じ、何より多くの挑戦の余地が残されている未開拓の分野であることに気づかされました。

リハビリテーション医学は、学会設立から50年と歴史も浅いです。しかし、EBMの積み重ねにより年々進歩し、治療ガイドラインも改訂を重ねています。私自身は、リハビリ医として経験を積むにつれ、益々リハビリテーション医学の面白さ、奥深さ、やり甲斐が増幅してきています。まだエビデンスのない分野は、「ないものは自分で作る」の精神でみなさんの力で確立していきたいものです。是非とも、仲間に加わっていただき、未知なる分野を開拓し新たな歴史をみなさんとともに作っていきましょう。誠心誠意、応援いたします。

キャリアパス

研修プログラム終了後の「キャリアパス」も大切です。(図参照)

大きく分けて主に2つのコースに分けられます:アカデミック・コースとジェネラリスト・コースです。

希望に応じて柔軟に対応いたします。

アカデミック・コース:大学院進学(研修と同時並行も可能)あるいは研究生として博士号取得後、大学で診療・教育・研究を続けアカデミックポジション(講師、准教授、教授)を目指します。あるいは専門医取得後、希望されれば国外留学も良いかもしれません。

ジェネラリスト・コース:専門医取得後、臨床現場をご希望する場合、関連研修施設や近隣の施設を選んでいただけます。殊に近隣の回復期病院はまだリハビリテーション科専門医不在なのが多い現状です。

全国の病院は約7500施設、そのうちリハビリテーション科を標榜しているのは5400施設で、2023年1月時点でリハビリテーション科専門医は2823名です。学会の試算では、少なくとも4000名の専門医が必要と推定されています。

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